第2回潮干狩り
3月末の徳島淡路島旅行につづき今季2回目の大型旅行であった。例によって行き先を決めるのには難儀したのだが「潮干狩り」ははずせなかった。
3月末に第1回潮干狩り旅行を終え(徳島淡路旅行のことね)第2弾として4月中旬に帰省を兼ね東京湾アサリ、マテ貝せん滅作戦が遂行されるはずだったのだが悪天候により中止。
ちなみにこの時長野では季節はずれの雪となったのだ。そんなわけで潮干狩り禁断症状の出ていた我々には「潮干狩り」が必要だったのだ。そしてそのために今回も大潮に合わせて休暇を取得したのだ。向かうは潮干狩りのメッカ伊勢湾。
例によって「非」管理潮干狩り場をネットで物色し見つけたのが三重県松阪界隈の干潟であった。しかし大潮で潮干狩りに適しているのは休暇6連休の前半。
後半は中潮になってしまうしそう毎日潮干狩りってわけにもいかない。そこでいろいろと頭を悩めた結果最終的に決められたスケジュールがこれであった。
5月26日(水)夜、勤務終了後出発。深夜愛知県某SAで車中泊。
5月27日(木)午前中松阪市海岸潮干狩り場到着。干潮11時半。当海岸駐車場にて車中泊。
5月28日(金)同じく松阪市海岸にて潮干狩り干潮12時過ぎ。同じく海岸駐車場にて車中泊。
5月29日(土)朝7時前に出発、約2時間で奈良公園到着。大仏拝観、鹿と戯れる。お昼前に近鉄奈良駅より電車に乗車。約1時間半後神戸市立王子動物園到着。ジャイアントパンダ見物。16時頃また奈良へ向かって電車で帰る。夕方奈良へ到着。奈良公園より1時間ほど南下した道の駅で車中泊。
5月30日(日)車中泊地点より斜めに紀伊半島を縦断して三重県尾鷲市郊外へと抜け、毎年行く三重県紀北町の銚子川のほとりのキャンプ場コテージ泊。
5月31日(月)少し早いが泳いだりエビを捕ったりして遊ぶ。同じくコテージ泊。
6月1日チェックアウト後長野へと帰る。
という水も漏らさぬ綿密なスケジュールである。特にジャイアントパンダはちび子に見せておきたかった。
地元長野にはレッサーパンダを多数飼育している動物園がありそこでレッサーパンダとはかなり親しんでいるちび子であったがホンモノのパンダは未だ見たことがなくパンダといえばレッサーパンダを指すくらいに思っている節があったのでこの機会に是非ホンモノを見せておきたかったのだ。
ジャイアントパンダといえば上野動物園のパンダが死滅して以来東日本には飼育している動物園が無くなりそんな中、和歌山県白浜町の白浜アドベンチャーワールドが繁殖にも成功して有名になったのだがそこは入園料があまりにも高かった。サファリパーク的規模の動物園なのだが大人が3800円、ちび子も2400円の入園料がかかる。
そこでいろいろ調べていくと神戸にある市営の動物園でも密かに(ってわけでもないだろうが)2頭のつがいのパンダを飼育しておりそこなら入園料大人600円、ちび子はタダであることが分かった。
パンダのみを目的としたときにその差はあまりにも大きすぎる。ちなみに日本国内でジャイアントパンダを飼育しているのはこの2施設だけである。
我々は迷わず後者の入園料の安い方を選択した。その他にもしな子の発案で奈良公園もスケジュールに組み入れられた。
動物好きのちび子は公園内を普通にうろつく鹿を見てせんべいなどをくれてやれば大喜びするであろうは容易に想像できた。むしろ見ることしかできないジャイアントパンダより触れることのできる鹿の方が喜ぶということが充分に考えられた。そして奈良はしな子が学生時代に過ごした地でもあったのだ。
更に調べていくと数年前より難波駅で近鉄電車と阪神電車が直通運転をするようになり奈良と神戸が乗り換えなしで結ばれるようになっていたのだ。快速急行で1時間半だ。そういったわけで29日土曜日はやや濃いスケジュールとなってしまった。
そして旅立ちの時は来た。26日勤務終了は20時20分頃、帰宅後しなちく1号で家を出たのは21時近くになっていた。疲労困憊していたので運転はしな子に任せ助手席で休ませていただいた。ちび子は後部チャイルドシートで寝間着に着替えて就寝体勢に入っている。
本日の車中泊予定地到着は0時頃の見込みだ。ナビ子(女の声でルート案内するのでカーナビのことをナビ子と呼んでいる)も0時頃着くと言っている。
高速道路のSAPAは場所を吟味しないと夜間はトラックの仮眠場所となるので一晩中アイドリング騒音に悩まされる。東名、中央などの幹線高速と都市部のSAPAはほとんどが夜間トラックステーションと化してしまう。
そんな中穴場的に見つけたのが東海環状自動車道のSAPAで中央道から東名や伊勢湾岸道へ繋がる道でありながら交通量が極端に少なく夜間も快適に過ごすことができるSAPAがあるのだ。
ナビ子の言うとおり0時頃目的のPAに着くと車内にベッドを展開して就寝である。到着が遅かったわりには翌朝は早い。まだ行ったことのない松阪の海岸に10時くらいまでには着いて潮干狩り場をどこにするか見極めねばならぬのだ。
翌日早めに出発したので大事には至らなかったが途中の東名阪自動車道が集中工事を行っており車線規制により大渋滞して1時間ほど余計に所要してしまった。帰りもこの道を通らねばならず今から気が重いのであった。
それでもほぼ予定通りに海岸に到着。目の前にはすでに広大な干潟が広がっていた。ここに無数のアサリやマテ貝が待っている(はず)のである。
そそくさと準備を済ませると早速入浜だ。こう広いとどこから掘っていいのか迷ってしまうのだがとりあえず手前側で先客が近所にいるところから攻めてみる。
平日なので人もまばらで攻略箇所が絞りづらいのだ。見るからにアサリのうようよ居そうな砂浜を掘るのだが全然出てこない。もう5月も下旬だからみんな掘り尽くされてしまったのだろうか。(十分考えられる)潮が引くにしたがって干潟が沖の方へ伸びていき最先端は1.5km程も先であろうか。
当然そこまで行ってられないが、それでも沖を目指し掘り進んでいく。水の中では腰ぐらいの深さのところでプロ風のおっさんが鋤簾(じょれん)で砂を引っ掻いているが漁業権を持っていないと鋤簾は使えないし我々がしたいのは「潮干狩り」であり「漁」ではない。そんなにアサリが食べたきゃスーパーで買ってきた方が早い。潮干狩りを楽しみたいのだ。
しかしどこ掘ってもアサリはほとんど出てこない。1時間ほど掘って数個である。周辺にはアサリやマテ貝の殻がたくさん落ちており生息域であるという雰囲気は漂っているのだがいないのだ。
潮が満ち始めるまでの残り時間を考慮し私はマテ貝1本にターゲットを絞り熊手をやめスコップに持ち替えた。しな子はアサリ1本勝負のようだ。
しかしその後も我々の前に貝どもは姿を現すこともなく潮が満ち始めた12時過ぎ潮干狩り初日は惨敗で終わった。採った数個のアサリは海へ放たれた。マテ貝に至っては穴すら見つけることができなかった。
夜ご飯はこの浜辺でアサリの味噌汁とマテ貝のガーリック焼きとコンビニおにぎりの予定だったのだが、おかずのメドが立たなくなり外食への変更が余儀なくされた。責任者出てこい!はい俺です。
それだけでなくもうひとつ困った問題が発生していた。風がものすごく強くなり風通しのよいこの地での車中泊が困難となってきたのだ。
この風の中しなちく1号のポップアップルーフを展開したら車がひっくり返ってしまいそうだ。そこまでならずともテントが壊れてしまうかもしれない。
午後は近隣の別の潮干狩り場を視察しようと考えつつも先々に難題を抱えうなだれながら昼食のおにぎりを食べた。
そんな時地元(と思われる)のオババがバケツを持って浜から上がってきた。そしてそのバケツには山盛りのマテ貝が・・・。ざっと5〜600本はありそうなくらい山盛りのマテ貝なのだ。
そのオババはさっさと行ってしまったがこの干潟のどこかにマテ貝パラダイスがあるというのだけは分かり気持ちは高揚したがそれこそ東京ドーム数個分はあろうかという広大な干潟のどこに・・・そして今夜はどこに泊れば・・・。
いろいろと解決せねばならぬ問題も山積していたのだった。午後はあまり意味もなく安らぎの地を求めて彷徨ったのだが安らぎの地は見つからなかった。
今日は宿泊してしまおうかとしかたなく飛び込んだ市営キャンプ場のコテージも当日お断りと無下に断られてしまい「キサマらやる気がないのなら仕分けされてしまえ」とこみ上げてくる怒りも抑えつつ津市郊外の温泉浴場で入浴後向かいのジャスコで夕食を摂った。
夜になっても風は治まることはなく吹き荒れていた。やむなくその夜はジャスコの近所にあったビジネスホテル「ルートイン」で宿をとった。
初日から予定が狂ってしまったがちび子はホテル泊に大喜びであった。そんなことなら最初からお金を払って温泉浴場になど行かねばよかった。ルートインには大浴場もあったのだ。
19時過ぎにチェックインをして入室すると母子を残し私は即寝となった。疲れが蓄積していたのだ。
翌朝28日、ホテルのレストランで朝食を摂りつつ外を見やるとまだ風は治まっていない。街路樹が風に煽られ暴れているのが見える。天気は良いのだが・・・私はパンをくわえつつ一休さんのように熟考し、そしてひとつの策を考案した。
「ここは高速のインターも近い。今日奈良経由で神戸動物園に行ってしまおう。潮干狩りは強風のため中止だ」。
策は承諾され即座に実行に移された。予定が一日前倒しになってしまい明日29日が空白になってしまうがそれはまた後で考えよう。という行き当たりばったりな計画も含めて承諾となった。
東名阪道を天理まで行きそこから奈良へのルートを行くものだとばかり思っていたら天理より手前のインターで降り山越えをするルートをナビ子が指示した。
この旅行どうもナビ子との関係がぎくしゃくしているので(意表をつくルートを指示することがままあったのでシカトして車を進めることが多くその結果渋滞にはまるなどシカトしたことが裏目に出ることが何度もあった)ここはおとなしくナビ子の指示に従った。
ナビ子にはFMとビーコンのVICSが装備されており先々の渋滞を考慮したルートを設定する機能も備えているのだが私はいまひとつその機能を信用していないのだ。
信用されていないことに薄々気付いたナビ子もややへそを曲げて時々いじわるな道案内をすることがあるのだ。
結局ナビ子の指示が正しかったのかどうか分からぬうちに山を越えたら奈良公園へいきなり突入した。天気も良く、内地なので風もそれほど強くなくまったくもってすばらしい観光日和なのだが、我々はここでゆっくりすることはできない。
ホテルを出た時間が8時半近かったせいもあって着いたのは10時過ぎ。奈良公園見物は残念ながら省略されそのまま車を停めて近鉄奈良駅を目指した。
それでも奈良公園駐車場から近鉄奈良駅の間で鹿に遭遇。「なぜここに鹿が・・」予備知識のないちび子は全く事態が飲み込めていない様子であったがたいそうな喜びようで鹿をナデナデしていた。
後ろ髪引かれるちび子を強制連行して我々は近鉄奈良駅へと急いだ。急いだが列車の時刻は把握していない。
神戸への直通列車は1時間に3〜4本。事前にパソコンで近鉄奈良駅時刻表をプリントして持ってきていたのだが29日に乗る予定だったので土曜日の時刻だったのだ。
案の定全く違う平日時刻での運行であったが全く待たずに直通列車に乗れたのはツイていた。揺られること1時間半。時々ぶつぶつ言うちび子をなだめながら12時過ぎにようやく神戸市立王子動物園に到着した。
正門を通り抜け少し進むといきなりパンダ舎だ。2頭のパンダはそれぞれ別の区画で飼育されており今日は2頭とも庭でお食事中だ。
パンダまでの距離が近くしかも見物客が少なくガラガラだ。パンダを背景に入れて記念写真まで撮れてしまう。
私はパンダを見るのは多分2度目ではないかと思うのだが初めて見に行ったのは日本に初めてパンダが来たときで上野動物園は大混雑になってしまいまだ小学低学年だったということも相まって今ひとつはっきりとパンダの画像が脳裏にインプットされていないのだ。
「ラッシュの新宿駅ホームで窓越しに山手線の車内を覗いた・・」そんなイメージだったろうか。しかしここはそれとは打って変わってのんびりムードでパンダが笹を食べたりころがったりしているのだ。
ちび子も初めて見るジャイアントパンダに「わあ〜パンダちゃん!」と喜びの声を上げるのだが、やはり事前の予想通り喜びはそこまでですぐに飽きてしまい遊具に乗りたがったりお菓子を欲しがったりとお父さんお母さんを困らせてしまうのであった。基本的に触ったりエサをやったりできないものにはあまり興味を示さないのだ。
それでも2時間半ほど滞在して「もう2度と見られないかもしれないからね」と念を押ししっかりとパンダを目に焼き付けてもらい動物園を後にした。
奈良へ戻ったのは17時頃でまだ充分に明るい時間ではあったが期待していた鹿たちはねぐらに帰ったようでもう姿は見えなかった。ちび子残念。
市内のガストで夕食を摂りつつ作戦会議。そこで空白となっていた明日の予定について検討した結果、今夜はこの周辺、具体的には西名阪道天理PA(ここから10分くらい)で車中泊をする。翌日は再度奈良公園へ出向き1日中鹿と戯れたり大仏を見物したりする。奈良観光ということになった。
その夜天理PAでは予定通りトラックに囲まれての就寝となった。
翌朝9時には昨日と同じ奈良公園駐車場に車を停めた。土曜日なので混雑が予想されるため早めに仕掛けたのだ。
まだ観光客のほとんど出ていない時間帯なので園地内は閑散として散歩する地元民などが少し居る程度で静かな朝の佇まいだ。
早速鹿の群を見つけてナデナデする。ちび子大喜びだ。そうこうしているうちにしな子が鹿煎餅を調達してくる。
鹿へのエサやりにちび子も大興奮。エサ目当ての鹿に囲まれてしまうなんてちび子も初体験だ。1時間ほどそこで過ごした後お約束の大仏殿へ行く。
思ったほど混雑しておらずゆっくりと見物できた。ただいま開催中の平城遷都1300年記念祭の会場の方へ人がいってしまいこちらは閑散としているのかとも思ったが、ただ単に時間が早かっただけでこの後学生団体などがワサワサ到着して大混雑になるのであった。いいタイミングだった。
周辺に人が多くなったのでどこか静かなところを求めて移動したのだが意外にもメインストリートをはずれると公園内は閑散とした緑地が広がっておりそこで昼食を挟み鹿と遊んだりキャッチボールやフリスビーに興じ15時頃まで過ごしてしまった。
1日奈良にいて見物したのは大仏だけ。あとは奈良公園で遊んだだけということとなってしまったが見物旅行はあまり好きではないので楽しい1日ではあった。
未練の残るちび子を強制連行して奈良を後にして再度松阪へと向かった。
昼間の作戦会議で潮見表を見たところ日曜日までは大潮であることが分かった。また天気予報によると概ね好天が続くが寒気が居座り気温はあまり上がらないらしいということも分かった。そこで川遊びなどの予定されていた紀北町のコテージ泊をすべてやめてしまい明日日曜日は松阪へリベンジに行こう、そして月曜日は少し足をのばして昨年春に行った静岡県掛川市の花鳥園で小鳥やエミューと戯れよう。日曜日のうちに移動を済ませれば東名阪道の集中工事も休みだし静岡までも1000円で行ける。そうすれば長野への帰途大渋滞の東名阪道を通らずにも済む。うん、そうしよう、そうしよう。ということになったのだ。
コテージの予約は入れていなかったのでキャンセルの手続きも不要だし宿泊費2泊24000円も丸ごと節約だ。不本意にルートインで泊まってしまった分(11000円)はしっかり取り戻した。
夕刻むこうに着くと一昨日と同じくジャスコで夕食&向かいの温泉で入浴を済ませ一昨日玉砕した浜辺の駐車場へ車を停めそのまま車中泊した。今夜は風は穏やかだ。
翌日午前中はダラダラと過ごす。日曜日なので潮干狩りに来る人も多く駐車場から車を出すわけにはいかない。ひとたび出庫したら停めるところは無いと思え。
とはいえ駐車場の一番隅の緑地に接した1等地に陣取りベッドを展開した状態で停めてあるのでかなり快適に過ごせる。
海浜公園内で遊んだり車内でゴロゴロして読書したり。
干潮は13時20分頃なので午前中はのんびりと・・・などと思って過ごしていたのだが干潮を待たずに10時くらいから次々と人が浜に入っていくのを見てだんだんと落ち着かなくなり10時45分とうとう我々も入浜した。
本日の作戦。
アサリは砂抜きしている暇がないので今日はマテ貝1本にターゲットを絞る。
先日全く足を伸ばしていない沖合遠くのポイントを目指す。
マテ貝狙いをしている地元民を捜し尾行する。
なんとかしてこの広大な干潟からマテ貝パラダイスを見つけださねば今日の勝利はありえないのだ。入浜するととにかく沖合を目指した。干潟手前部分の砂浜はすべてシカトだ。
1km程進んだところで掘削攻撃をしかける。・・・・いない。潮はまだまだ引いていくので掘削攻撃ー無収穫ー沖合移動ーを繰り返した。
そして1.5km程沖合へ出たところで待望のマテ貝第1号をGETした。「このへんにマテ貝はいる」というのを確信しボルテージがかなり上がるが後が続かない。
しばらくして2本目がGETされるがマテ貝パラダイスにはほど遠い。
更に200m程沖合の浜にも10家族くらいが砂をほじくり返している。たぶんその辺が最大干潮時においても干潟の最先端部分になるのだろう。もう駐車場が霞んでしまうくらい沖合へ出た。満潮時に逃げ遅れたらやっかいなことになりそうだ。だが我々はその先端部へと向かった。ここまで来たらもう引き返せない。
その時先端部で砂をほじくっている家族の声が聞こえた「お父さん、早く塩貸して!」。塩を貸せと子供が叫んでいた。そうマテ貝掘りで必需品の塩。奴らはここでマテ貝を掘っている、しかも今まさに捕獲しようとしている。
勢い込んで現場に着くと早速砂をほじった。すると出るわ出るわ・・ひと掘り2〜3本。ちょっと掘ればマテ貝の穴が2〜3個見つかり、その穴に塩を入れると雨後の竹の子のようにマテ貝が出てくるのだ。
ついに我々はマテ貝パラダイスに辿り着いたのだ。遠い道のりであった。西遊記が思い出された。いつの世も天竺は遠いのだ。
捕ったマテ貝は車に戻ったらすぐに食される。だから乱獲は不要なのだ。このあと食べる分だけ。そうせいぜい多くて40本くらいで十分なのだが、その程度は瞬く間に捕獲されてしまうのだ。
ちび子もしな子も大喜びで捕獲を続け、私の捕獲終了の宣告をも無視して掘り続けるのでしまいには怒鳴りつけて強制終了させて予定よりもかなり早い時間に浜から上がった。まだ13時にすらなっていなかった。今日の満潮は13時20分だ。
車に戻ると早速調理だ。今回はフライパンも持参してきた。数が多いので2度に分けてフライパンで炒めて醤油をふってガーリックパウダーをまぶして出来上がり。
3人でばくばくばくっと食べてまた次のを炒める。40本近くあったマテ貝はその場で秒殺された。
浜辺で捕りたてのマテ貝を炒めて食べる。幸せなひとときなのだ。食後のひとときをのんびりと過ごし15時過ぎ次の目的地静岡県の御前崎を目指す。
翌日31日のお目覚めは御前崎にある海浜公園駐車場。昨年春にも車中泊したところで広々として気持ちのよいところだ。
朝になって大きな滑り台を見て昨年も来たことがあるということにちび子も気付いたようだ。昨日と同じように公園で遊んだり車内でゴロゴロしたり本を読んだり海岸を散歩したりして午前中のひとときをのんびり過ごす。
そうこうしつつ10時過ぎに出発、掛川花鳥園まで1時間。
まずはエミュー牧場。ダチョウを少し小型にしたようなエミュー。顔つきもするどく恐竜のような怖い表情をしている。そいつらが2〜30羽柵の中に放し飼いになっており、見物客はエサを持って柵の中へ入ることもできるのだ。
紙コップの中に入ったドックフードのようなものを50円で買って中に入ると早速腹を空かしたエミューに囲まれる。怖い顔をしたエミューに囲まれるとまるでヤーさんに囲まれて恐喝されているような錯覚さえする。
ちび子も最初は怖がっていたのだが、次第に逃げる楽しみを覚えてキャーキャー言ってエミューから逃げまとい楽しんでいたようだ。結局エミュー牧場だけで50分近く滞在。
続いて温室に入ってお目当てのインコにエサやり。ジャングルを再現したような大型の温室でもエサを手に載せて差し出すといろんな種類のインコが手やら肩やら頭やらに乗っかってくる。
インコもセキセイインコのような小型種ではないので引っかかれたり噛みつかれたりすると結構痛いのだが楽しい。
おやつ休憩を挟んで2時間半温室も滞在した後、川根温泉へと向かう。この辺の行動ルートは昨年と全く一緒だ。SLの見える露天風呂がある温泉施設で旅の疲れを流すのだ。明日はいよいよ長野へ帰宅だ。
調べたところSLの通過時刻は16時。到着が15時40分頃だったので即入浴露天風呂直行というのも慌ただしいのでまず河原に行ってお茶を沸かし水筒に入れて、それら作業をしながらSLを見物することにした。
ところが河原に着くと汽笛が聞こえてくる。まだ時間には相当早い。そうこうしていると鉄橋をSLが渡り始めた。今日は臨時便も運転されていたようなのだ。即入浴していたら見逃していたところだ。
その20分後定期便のSLもやって来た。短時間でSL列車2本も拝むことができたのだ。
お茶の準備も終わったところで温泉に入る。お茶は温泉で飲むのではなく車の中で飲むためのものだ。
500ccの保温水筒に温かいほうじ茶を常備しておくため所々でお茶を沸かして入れ替えているのだが昨秋購入したキャンプ用高効率湯沸器が大活躍だったのだ。
外は風があったりなんだりと家のガスコンロと違いお湯が沸くのに時間がかかり時としてウンザリしてしまうのだがこいつは大した優れもので500cc位ならホントあっと言う間に沸くのだ。
風呂を済ますと帰途に就く。東名高速を一旦西に走らせ往路と同じく東海環状自動車道のPAで車中泊をする。
往路とは違うパーキングであったがここはホントによるも静かでありがたい。翌朝朝食後併設された公園のベンチでまたお茶を沸かしポットに詰めると一路長野へと向かった。
結局2日目以降当初予定はガタガタになり行き当たりばったりの旅行となったのであったがそれもまたいとおかしであった。