「テレビ」 11月も終わりのことだった。どーもテレビの写りがよくないのだ。もともとこのあたりは電波事情がよくないところで夏になるとテレビの写りが悪くなってしまうのだが、この時期写りが悪いのは珍しいのだ。時々画像が消えてしまうのだが、日を追ってだんだんと症状が悪化していくので同じアパートに住む人に「最近また電波が悪くないか?」と話したところ(共同アンテナなので写りは一緒なのだ)、「全然悪くない」という返事が返ってきたのだ。
悪いのは電波でなくテレビであった。思えばこのテレビは私が中学3年の頃購入したテレビでかれこれ17〜8年も経つ年期モノなのだがとうとう寿命が来たようだ。信濃千曲川通信社ではもろもろの事情により(後で説明するが)大型のテレビを導入することができないのだ。よって今までも14インチのテレビを使用していたのでこれを同じものに買い換えるのはたやすかった。14インチのテレビは10000円以下で買える時代なのだ。
しかしこれからは省スペースの時代である。東京では6畳一間のアパートの家賃が7万も8万もするのだ。テレビを置くスペースにも多額のお金がかかるということを忘れてはならない。そして近い将来、信濃千曲川通信社では最新のAV機器を導入する予定もあるのでその設置スペースを創出する必要もあったのであった。そして考えついたのが液晶テレビだ。しかし液晶テレビは高いのだ。14〜5万円はする。普通のテレビが15台も買えるのだ。毎年テレビを買い換えても15年分だ。
だが、いわゆるテレビでなくパソコンの液晶ディスプレイで一部の製品にはビデオ入力がついているものもあり、それであればテレビとして使え、将来ディスクトップ型のパソコンを購入することがあればそのままディスプレイとして利用できるので、それほど高い買い物ではないかもしれない。話は変わり2000年問題を控え預金通帳などは記帳した方がよいということが新聞などに書いてあったのだが信濃千曲川通信社の取引銀行である東京三菱銀行は長野県にはないので記帳できなかったのだ。
やめようかとも思ったが東京三菱銀行には巨額の資金が預けられているので記帳しておいた方が良いなと思い、秋葉原でテレビの品定めを行うことも併せて久々の上京を決意したのだ。この日もスノーボードの予定があったのだが約束をキャンセルした。まだ12月に入ったばかりなのでスキー場も滑走できるのは一部ゲレンデだけだがこの先、冬本番になると平日の休みの日は連日ボードに行くことになるであろうから、今のうちに東京に行かないと春まで平日の上京はできなくなってしまうのだ。銀行は土、日は休みだからなあ。
東京に着くと銀行での用事はすぐに済んだ。そして秋葉原にむかいテレビの物色をすることにした。液晶テレビはパソコン用ディスプレイを含めて各社から出ているがどーもデザインがいまいちなのだ。せっかくブラウン管に比べて薄くてスタイリッシュなのだからデザインももう少し考えていただきたいのだが、ベージュ色の四角い枠にはまったいわゆる"パソコン周辺機器"といった趣のものが多かった。家庭用の液晶テレビもそうなのだ。
そんな中でMacが出しているパソコン用ディスプレイは今、流行りのスケルトンボディ、角を削ったおしゃれな形でちゃんとビデオ入力端子もついているので、Macユーザーの私としては将来的にもデザイン的にもうってつけの一品だと目を付けていたのだ。しかし展示されていた現物を見るとかなり筐体が大きく、場所をとらないという液晶のメリットが十分に生かされないのだ。更に生産中止になっていてもう売っていないということが判明し、購入することは結局できなかった。
しかしいろいろと見て回ると目を引くものがひとつあった。三菱電機が新しく出したもので、他社のものに比べずっと薄く、見た目もけっこうおしゃれでビデオ入力、パソコン入力の他にテレビチューナーまでついている万能選手なのだ。これはいいなあと、とりあえず目をつけておいて他の店を見て回った。
他の店でも同じものが置いてあったのだが売れているらしくてみんな売り切れなのだ。何軒も見て回ったが在庫のある店は一軒もないのだ。結局秋葉原を一廻りして元の店に戻ってしまった。しかしであった。実はその店も売り切れの札が出ていないだけで実は売り切れだったのだ。
田舎暮らしの体に都会の人混みは実に堪えるのだ。疲れきって購入はとりあえずまたの機会にして昼ご飯を食べながら帰りの新幹線の時間を調べていたのだが12月4日にダイヤ改正をしてからどーも上田駅での乗り継ぎがよくない。寒いところで待ちたくないのでなるべく10分ぐらいの乗り継ぎ便を探していると3時過ぎまで電車がないことが判明した。
まだ1時位なのでまだ時間が余ってしまう。仕方なくまた秋葉原の街をうろつくことにした。奥の方の小さな店まで探し歩いたがそのテレビは売っていなかった。秋葉原へ行くといつも目的の品物にたどり着けないのだ。時間も2時半近くになったのでこの店を最後にしようと入ってみるとここも例のテレビは"展示"はしてあるのだが在庫のほうはかなり怪しい。
だが、店員に聞いてみると「ある」という意外な返事が返ってきて驚いた。しかも他の店がカルテルを結んでいるかのようにみんな138000円なのに対し、ここは137999円なのだ。1円安いのだ。「安いではないか!歩いた甲斐があった」とは思わなかったが土壇場で手に入れることができたのだ。
テレビ1台でそこまでしなくても・・と思われる人もいるであろうが、信濃千曲川通信社はインテリア雑誌に紹介されたこともあるのだ。テレビ1台でも部屋のインテリアにマッチするか、性能的に満足のいくものなのか、十分に吟味し、妥協を許さないのだ。
ゆくゆく信濃千曲川通信社が導入したいものに"プラズマテレビ"というものがあり、従来のブラウン管とは違うシステムのテレビで、50インチもの大型画面にも関わらず厚さがわずか10センチ、それでいてブラウン管に匹敵する鮮明な写り。全国の"ガスト"というファミリーレストランに42インチの同型モデルがあるので是非見ていただきたいのであるが、いかんせんお値段が・・・・。秋葉原でも今回多々お見受けしたのだが50インチのもので135万円なのだ。
通常のテレビは大型の32〜36インチのものになると奥行きがものすごくあるのでファッション性を重視する信濃千曲川通信社では設置が許されないのだ。よって大型テレビは現在プラズマ以外考えられないのだが信濃千曲川通信社の財力を持ってしてもテレビに135万円は捻出できないのだ。だが家電製品は安くなるのが世の常なのだ。普通のテレビにしたって昔はサラリーマンの年収分ぐらいしたのだ。それが今では10000円だ。いつかプラズマがもっと安くなる日まで液晶大画面15インチで我慢なのだ。秋葉原に大きな夢を残し、あさま号は液晶テレビ137999円也を乗せ信州を目指すのであった。